「日蓮宗の総本山はどこですか?」という質問をたびたび受けます。

今日はそれにお答えしましょう。

日蓮宗の総本山は山梨県身延町の「身延山 久遠寺」です。

新宿から甲府経由で約4時間半

なぜ、身延町なのか?

日蓮聖人のお墓(御廟所と言います)があるからです。

弘安5(1282)年10月13日、日蓮聖人が池上でご入滅され、荼毘に付されました。

そして、「いづくにて死に候とも墓をば身延の沢にせさせ候べく候」(訳 どこで死ぬことになろうとも、身延に墓を建ててください)と言う遺言に従い、その遺骨は身延に安置され、歴代の法主(住職)によって護られています。

身延山は、日蓮聖人が9年間生活された場所。

当時、身延一帯の領主で、日蓮聖人の信者であった南部六郎実長宛に書かれた『波木井殿御書』には

「然れば吹風も、ゆるぐ木草も、流るる水の音までも、此山には妙法の五字を唱へずと云ことなし。未来際までも心は身延山に可住候。」
(訳 吹く風の音も、ゆれる木草や流れる水の音も、この身延山にいると、法華経を唱える声に聞こえる。この先も私の心は身延山に住み続けるのです)
と書かれています。

日蓮聖人は、今でも身延山に棲みつづけておられるのです。

身延山に行き、御廟所の前の拝殿や、大本堂の中央に座ると、無意識に背筋が伸び、気が引き締まるのです。

私にとって身延山は、日蓮聖人を一番身近に感じられる場所なのです。