2015.08.02
ご先祖様のお話
「袖触れ合うも多生の縁」という言葉があります。
道を歩いていて、すれ違う人、電車の隣に座っている人、名前を知らない人でも、過去のご先祖様を辿っていけば、どこかでつながりがあるかもしれない、という意味です。
妙乗寺の本堂の中央に立っている大きな塔婆には「四生六道 法界万霊」と書かれています。四生とは、哺乳類、魚類、鳥類、虫など全ての生き物。六道とは、地獄、餓鬼、畜生、修羅、人、天の六つの世界。皆さんは、今、人間界で生きています。私達は、この六つの世界を生まれ変わりながら、六つの世界の輪を回るのです。これを「六道輪廻」といいます。
位牌に書かれている「四生六道」とは、あらゆる全ての生き物、人間界以外の生き物を、お盆に供養しましょうね、というのが、お盆の目的なのです。
皆さんには、当然ご両親がいらっしゃいます。その二人のご両親にも、それぞれ二人づつのご両親(祖父母4人)。その上にはまたそのご両親(曽祖父8人)・・・。そうして「2、4、8、16、32、64・・・」と世代をさかのぼっていき、皆さんから20代さかのぼると、その数はいくつになるかご存知でしょうか?
その数、約100万人。それだけのご先祖様がいれば、偶然、隣に居合わせて人のご先祖様とも、深い関わりがあったかもしれない。私達は、どれだけ便利な生活が出来る様になっても、一人では生きていかれません。誰かと関わりながら、生活しています。それは、ご先祖様も同じ事。
お仏壇のお供え物も、皆さんもご先祖様だけでなく、ご先祖様と深いかかわりのあった方々へもお送りするような気持ちで、供えて下されば、ご先祖様もきっとお喜びになるはずです。